大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和25(れ)1097 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人海野普吉、同位田亮次の上告趣意第一点について。

しかし、原判決挙示の原審における証人Aの証言並びに同人の告訴補充調書中の

判示供述記載は、第一審第一回公判調書中の被告人の判示同趣旨就中本件二十万円

につき自由使用の許可を得ていなかつた旨の自白を補強するに足りる証拠であるこ

とその摘示の証拠内容に照し明らかであるから、原判決には所論のような被告人の

自白を唯一の証拠とした違法は認められない。所論は、結局原審の裁量に属する証

拠の判断を非難するに帰し、採ることができない。

同第二点について。

しかし、原判決の事実摘示就中「保管中・・・・擅に自己の用途に着服横領し」

との判示と原判決挙示の第一審第一回公判調書中の被告人の判示同旨の供述記載並

びにAの判示供述又は供述記載とを対照すれば、本件金員の委託関係が被告人に判

示金員の自由使用を許容しない趣旨であること明らかであるから、原判決には所論

のような理由不備の違法は認められない。本論旨もその理由がない。

よつて旧刑訴四四六条に従い、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

検察官 安平政吉関与

昭和二六年一月一八日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 沢 田 竹 治 郎

裁判官 岩 松 三 郎

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